信越五岳トレイルランニングレース2015(前編)

いつかまた自分がこのレースに出るときのために、そしてこれからこのレースへの出場を考えているトレイルランナーのために。

 

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2015年9月22日火曜日、AM5:30。
レースプロデューサーの石川弘樹さんによるスタートの合図が鳴り響き、約700名の仲間達が斑尾高原からスタートした。
ちなみにスタート時のウェアは、ファイントラック、ノースリーブT、アームカバー、
ヘッドバンド、サングラス、ショートタイツ、ショートパンツ、R×L五本指ソックス、
シューズはHOKA ONEONEのチャレンジャーATR、インソールはsuperfeet、
ザックはUltraSpireのタイタン、ハイドレーションには水を1.5L入れたけど、
1Lで十分だった。ゼッケンは2XUのレースベルトとザックに。
ジェルはすべてハニースティンガー。(Fruit Smoothie、Acai-Pomegranate、Strawberry-Kiwiの3種類の味。これ以外はクソ不味い。)
ここでスマホのボタン操作を無効にしておかなかったのが失敗だった。
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スタートからゲレンデの緩い登りを少し行くと、いきなり最高の景色が選手達を送り出してくれる。
多くの選手達はその美しい景色に出逢うと足を止めてしばしその光景を楽しむ。
走りながら近くにいる同じようなペースの選手と喋ったりすることもある。
トレイルランニング(特にロングレース)の魅力のひとつに、この気楽さがある。

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ロングレースでは誰もが気をつけることだけど、このレースも例にもれず、3Aもしくは4Aぐらいまではウォーミングアップのつもりで抑えて行く。
あまりにもコースが気持ち良いので、ついつい飛ばしたくなるがそこは我慢。
 
このレースの素晴らしいのは、スタッフのサポートもさることながら、そのコースレイアウト。
信越エリアの自然、そしてランナー達への石川さんの愛が感じられる、ほとんど渋滞の発生しないコース設定に、トレイルランニングの楽しさが詰まっている。
焦ることはない。ゆっくり行こう。
 
※ちなみにスマホの不調で早くもバッテリーがなくなったため、ここから写真なしです。
 
1A〜2A斑尾山の登りも焦らずゆっくり登る。レースというか登山という感じ。
当たり前だけど、まだまだ余裕。斑尾山は登りも下りも絶対飛ばしてはいけない。
前日からスタート前までたっぷりと水分補給をしたためか、トイレを見つけるたびに
駆け込む。
 
2A〜3Aの林道で数名の選手が蜂に刺されていた。スズメバチでなければよいが…。
なんと素晴らしいことに、スタッフが来る前に他の選手達が刺された選手を
ポイズンンリムーバー(毒抜き)で手当していた。
これにはレース終了後にプロデューサーの石川さんも感動していた。
レースといえども山では何が起こるか分からない。自己責任の世界だ。
もちろん僕もポイズンリムーバーは携行していた。
この大会では装備品チェックはないけど、防寒着や補給食も含めて
最低限自分の身は自分で守らなければならない。
ちなみに2Aからもう暑くてアームカバーは外していた。
 
飛ばさずゆっくりゆっくり行ってたつもりだったけど、3A(38.5km)の時点で
早くも足が攣る。両腿の大腿四頭筋と右ハムストリングス
しかもここからの関川沿い、緩やかに登っていてぎりぎり走らされる傾斜。
日陰はほとんどなし。ここは誰もがきついセクションだったが、そういう時こそ
頑張り甲斐があるというもの。でもまだ序盤。焦らず。ゆっくり。走る。
ちなみにこの辺りから約3時間おきにVESPAと胃薬or芍薬甘草湯(漢方)を摂取する。
 
足が攣ってはいるものの、ロングレースでこんなことは当たり前。
痛い、暑い、寒い、気持ち悪い、苦しい、そんなのは当たり前だ。
場合によっては内臓まで疲労して食べ物を受け付けない、水すら吐く、
そんなこともざらにある。
でも長い道のりの中で、それらがずっと(6時間以上とか)続くことはあまりない。
いつかは復活するときがくる。そのときを信じて、今は耐え忍ぶ。
 
5A(66.6km地点)。スタートからすでに9時間が過ぎている。
ここにはドロップバッグといって、スタート前に自分が用意して
スタッフに預けた荷物が置いてある。
ここでの休み過ぎは禁物だ。動かないでいると筋肉が固くなってくる。
ファイントラック(ノースリーブ)とpatagoniaノースリーブシャツから、
同じくファイントラック(ノースリーブ)とMOUNTAIN HARDWEARのTシャツに
着替え、VESPA、MAGMA、アミノバイタルパーフェクトエネルギー、調整豆乳などを
補給する。
「山よりだんご」とかも入れておいたけど、固形物はあまり食べたくなかった。
たんぱく質補給用と思って軽い気持ちで入れた調製豆乳が意外と美味しかった。
紀文さん、軽い気持ちで入れちゃってすみません。
ドロップバッグを再度預けるとき、調製豆乳を手に持っていたら
なぜかスタッフの人に笑われた。豆乳ナメんなよ?
ドロップバッグからヘッデン、ウィンドシェル、手袋を取り出しザックに入れる。
後半用のジェルとVESPAもここで補充。
サポートがいる選手が羨ましかったけど、一人で全部やってる自分も誇らしかった。
 
前半はとにかくゆっくり走って、(関川の炎天下地獄以外は)楽しんだ旅だった。
ここから、怒濤の(そして写真なしの)後半戦に突入していく・・・。
今回の旅では色々な発見があったのだけれど、そのほとんどは後半での出来事。
 
 
後半へ続く。